自費診療の入れ歯にはどんな種類がある？選択するメリット・デメリットも
こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。
入れ歯は、加齢や病気、事故などで歯を失った際に、その機能や見た目を補うための大切な治療手段です。現在、入れ歯には健康保険が適用される保険診療と、自己負担でより高品質な素材や技術を用いる自費診療の2つの選択肢があります。
近年注目されている自費診療の入れ歯は、見た目の自然さや耐久性などに優れていますが、その分費用が高くなります。どの種類を選ぶべきか、慎重に検討する必要があるといえるでしょう。
本記事では、自費診療で選べる入れ歯の具体的な種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。入れ歯選びに迷っている方や入れ歯治療を考えている方にとって、判断材料となる情報を提供いたします。
目次
自費診療の入れ歯の種類
自費診療で選択できる入れ歯は保険診療とは異なり、使用できる素材や製作工程に制限がありません。そのため、見た目や快適さ、耐久性などに優れた多彩な種類が揃っています。
以下では、代表的な自費入れ歯の種類を紹介し、それぞれの特徴を詳しく解説します。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、金属製のバネ（クラスプ）を使用せず、歯ぐきと同じような色の樹脂で周囲の歯に固定する部分入れ歯です。見た目が非常に自然で、入れ歯をしていることに気づかれにくいのが大きな魅力です。また、柔軟性のある素材を使用するため、装着感も良好です。
ただし、経年劣化による変色やたわみが起きやすく、修理や調整が難しいというデメリットもあります。
金属床義歯
金属床義歯は、歯ぐきに接する部分（床）が金属でできている入れ歯です。使用される金属にはコバルトクロムやチタン、金合金などがあり、素材によって薄さや軽さ、熱伝導性が異なります。
金属の強度により薄く作ることができるため、口の中での違和感が少なく、食べ物の温度を感じやすくなるなど、自然な使用感が得られるのが特徴です。金属アレルギーが心配な場合は、チタンなどアレルゲンが少ない素材を選ぶこともできます。
ただし、保険診療のレジン床義歯と比べると高額で、修理にも専門的な技術を要します。
シリコンデンチャー
シリコンデンチャーは、入れ歯の内側に医療用シリコンを装着したもので、クッション性が高く、歯ぐきにかかる圧力をやわらげる設計になっています。歯ぐきが弱い方や、入れ歯による痛みや傷に悩んでいる方に人気です。
装着時の安定感も高く、噛む力が分散されるため、硬いものも食べやすいというメリットがあります。
ただし、シリコン部分は摩耗しやすく、定期的なメンテナンスが必要です。また、吸水性が高いため清掃を怠ると雑菌の繁殖につながる恐れもあります。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨に数本のインプラントを埋め込み、それを固定源として装着するタイプの入れ歯です。
入れ歯のずれや外れがほとんどなく、しっかりとした噛み心地が得られるため、天然の歯に近い感覚で使用できます。見た目も自然で、発音や食事の際の違和感が少ないのが特徴です。
ただし、インプラント手術が必要となるため、身体的・金銭的な負担が大きくなります。また、骨の状態や健康状態によっては適応できない場合もあります。
ハイブリッドデンチャー
複数の素材や技術を組み合わせたハイブリッドデンチャーは、見た目の美しさと機能性、装着感のバランスを重視した入れ歯です。例えば、金属床義歯とノンクラスプデンチャーの特徴を組み合わせることで、目立たず軽量かつ丈夫な入れ歯を作れます。
患者さまの口腔内の状況やライフスタイルに合わせてオーダーメイドで製作されるため、快適な使用感を求める方に人気があります。
ただし、複雑な構造であるがゆえに費用がかさみやすく、製作や調整に時間がかかる点も考慮すべきでしょう。
自費診療の入れ歯を選択するメリット
自費診療の入れ歯には、保険診療の入れ歯にはない多くのメリットがあります。費用はかかるものの、その分だけ機能性や審美性、快適性が大幅に向上し、日常生活の質を高めることが可能です。
以下で、自費診療の主なメリットを詳しく見ていきましょう。
見た目が自然で美しい
自費診療では、歯ぐきや歯の色に近い素材を選べるため、入れ歯であることがほとんどわからないほど自然な仕上がりになります。特に、ノンクラスプデンチャーやセラミック製の人工歯を使用した入れ歯は審美性が高く、笑顔に自信を持てるようになります。
これは、仕事や対人関係で外見を気にする方にとって、大きな魅力だといえるでしょう。
装着感が良く快適
自費診療の入れ歯は、患者さま一人ひとりの口腔内に合わせて精密に設計・製作されるため、装着時の違和感が少なくなります。金属床義歯などは、薄く作れるため、話しやすさや食事中の快適さが向上し、より自然な口内環境が得られます。
また、シリコンデンチャーのように歯ぐきに優しい素材は、長時間の使用でも痛みや炎症が起きにくいという特徴もあります。
耐久性に優れ長期的に安定する
保険診療の入れ歯は短期間で破損や変形が起こる可能性がありますが、自費診療の入れ歯は高品質な素材を用いているため、耐久性に優れています。
金属床義歯やインプラントオーバーデンチャーなどは、適切なケアを行えば長期間使用することができます。結果的に修理や再製作の頻度が減るため、コストパフォーマンスが向上する場合もあります。
選択肢が豊富で自由度が高い
自費診療では、患者さまの希望に合わせて素材や形状・設計を柔軟にカスタマイズできる点もメリットです。例えば、アレルギーに配慮した素材の選定、目立たないデザイン、着脱のしやすさなど、さまざまなニーズに応じた入れ歯の設計が可能です。
これにより、自分にぴったり合った入れ歯を作ることができるため、快適な使用感が得られます。
自費診療の入れ歯を選択するデメリット
自費診療の入れ歯には多くの利点がありますが、すべての人に合っているとは限りません。選択にあたっては、以下のようなデメリットも十分に理解しておくことが大切です。
高額な費用がかかる
自費診療の入れ歯の、最も大きなデメリットはやはり費用でしょう。保険診療とは異なり、すべての治療費用が自己負担となるため、数十万円から場合によっては百万円を超えることもあります。
特に、インプラントオーバーデンチャーなどの手術を伴う治療では、治療費だけではなく、メンテナンスや再診費用も長期的にかかることを考慮する必要があります。高品質であるがゆえに費用がかさむため、予算と相談しながら慎重に検討する必要があります。
全員に適応できるわけではない
自費診療の入れ歯は高性能ですが、すべての患者さまに適応できるとは限りません。例えば、インプラントオーバーデンチャーは骨量が十分でない場合には施術できず、金属床義歯も金属アレルギーがある方には合いません。
口腔内の状態や全身の健康状態によっては、希望する入れ歯を選べない可能性もあります。
治療期間が長くなることがある
自費診療の入れ歯は精密な型取りや細かい調整を重ねながら製作されるため、完成までに時間がかかる場合があります。特に、素材の選定や構造のカスタマイズが必要なケースでは、製作期間が数週間から数か月に及ぶこともあります。
また、インプラントを併用する場合は、術後の治癒期間も含めて半年以上かかるケースもあるため、治療の計画には余裕を持つことが求められます。
メンテナンスや修理が複雑
高性能な自費診療の入れ歯であっても、日々の使用によって調整や修理が必要になることはあります。特に、複数の素材を組み合わせたハイブリッドタイプやシリコン素材を使用したものは、一般的な歯科医院では対応できず、修理に時間や費用がかかる場合があります。
また、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が早まることもあるため、継続的な通院と自己管理が欠かせません。
まとめ
自費診療の入れ歯には、保険診療では得られない、見た目の自然さや装着時の快適性、耐久性など、多くの魅力があります。ノンクラスプデンチャーや金属床義歯、シリコンデンチャーなど、選べる種類が豊富で、ライフスタイルや口腔内の状態に合わせて選択可能です。
一方で、高額な費用や治療期間の長さ、修理やメンテナンスの手間といったデメリットもあります。
自費診療の入れ歯を選ぶ際には、こうしたメリットとデメリットをしっかりと比較検討し、自分に合った選択をすることが重要です。より豊かで快適な生活を手に入れるために、信頼できる歯科医師と相談しながら、納得のいく治療を受けましょう。
入れ歯を検討されている方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。