放置は危険！インプラント周囲炎とは何か詳しく解説！
こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。
インプラントはトラブルとは無縁だと思っていませんか。インプラントを長く快適に使うためには、天然の歯と同様に定期的なケアが欠かせません。なかでも注意が必要なのが、インプラント周囲炎です。
本記事では、インプラント周囲炎の原因や予防法について、わかりやすく解説します。
目次
インプラント周囲炎とは
インプラント治療を受けた方にとって、気をつけなければならないトラブルのひとつにインプラント周囲炎があります。天然歯の歯周病とよく似た病気で、インプラントの周りの歯茎や骨などの歯周組織に炎症が起こる状態を指します。
インプラント周囲炎が進行すると支えとなる骨が溶け、最悪の場合にはインプラント自体が抜け落ちるため注意が必要です。インプラントは人工物なので虫歯にはなりませんが、歯茎や骨はケアを怠ると細菌感染を起こします。
特に、インプラントと歯茎との境目にプラークがたまると、炎症が発生しやすくなるでしょう。初期段階では痛みが出にくく、見た目もあまり変化がないため、患者さん自身が気づきにくいという特徴もあります。
インプラント周囲炎は進行が早く、一度悪化すると治療が難しい疾患です。軽度であればクリーニングや薬による処置で改善が見込めますが、中度から重度に進行すると、外科的な処置が必要になることもあるでしょう。
インプラント治療を成功させ、その状態を長く保つためには、治療後の定期的なケアが非常に重要です。インプラント周囲炎は放置すると危険な病気ですが、正しい知識を持って予防すれば十分に防ぐことができます。
インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎が発症する背景には、いくつかの原因があります。 以下に、主な原因を紹介していきます。
口腔内のプラーク
インプラント周囲炎のもっとも大きな原因は、プラークと呼ばれる細菌のかたまりです。プラークは、食べカスや唾液中の成分が混ざり合ってできるもので、放置するとバイオフィルムと呼ばれる膜を作って炎症を引き起こします。
誤ったセルフケア
歯みがきの仕方や清掃道具が適切でない場合も、インプラント周囲炎のリスクが高まります。インプラントの周囲は特殊な形をしているため、一般的なブラシでは十分に汚れを落とせないことも少なくありません。
プラークが蓄積されるとインプラント周囲炎のリスクが高まるため、歯の形状にあった清掃用具を使用する必要があるでしょう。
喫煙習慣
喫煙者は、非喫煙者と比較してインプラント周囲炎に罹患するリスクが高いです。タバコを吸うと、歯茎の血流が悪くなり免疫機能が低下するためです。インプラント治療の経過にも悪影響を与えることがあるため、禁煙するのが理想です。
定期メンテナンスをしていない
歯科医院でのチェックとクリーニングを怠ると、目に見えないところで炎症が進行する可能性があります。早期に異常を発見することで、インプラントの寿命を長く保てるでしょう。自覚症状が出る前の段階で異常を発見するためにも、定期メンテナンスは必要です。
噛み合わせの異常
強すぎる噛み合わせや、無意識の歯ぎしり・食いしばりも、インプラント周囲炎を引き起こす原因のひとつです。過剰な力がインプラントに加わると、周囲の骨に負担がかかり、炎症が誘発されます。
噛み合わせは常に変化するため、定期的に噛み合わせが強くないか確認してもらうことが必要です。
インプラント周囲炎の治療法
インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が徐々に溶けていきます。ここでは、インプラント周囲炎の治療法を紹介します。
プロフェッショナルクリーニング
初期のインプラント周囲炎では、セルフケアの徹底と歯科医院でのクリーニングでの清掃が効果を発揮します。クリーニングでは、専用の器具を使いインプラント周囲に付着したプラークやバイオフィルムを除去します。
自宅での歯みがきでは落とせない細菌まで取り除けるため、症状の進行を抑えることが可能です。また、磨き残しが目立つ部分はブラッシング指導をおこなって、プラークの残らない口内環境に整えていくサポートをします。
抗菌薬の使用
炎症が進んでいる場合には、内服薬や局所への抗菌薬の塗布によって細菌の繁殖を抑えます。状況に応じて、抗生物質を処方することで腫れや痛みの緩和が期待できるでしょう。
レーザー治療
近年注目されている治療法のひとつに、レーザーによる除菌があります。炎症を起こしている部分にレーザーを照射することで、歯周病菌の殺菌と組織の回復を促します。
外科的処置
重度に進行したインプラント周囲炎では、外科的なアプローチが必要になる場合もあるでしょう。外科的処置では、歯茎を切開しインプラントの周囲を直接目視しながら汚染された組織を除去します。
骨の吸収が見られ再生が必要な場合には、再生療法を併用することもあります。
インプラントの撤去
骨の吸収が著しく、インプラントの安定性が失われている場合には、インプラントの撤去を検討することになるでしょう。再治療は可能ですが、十分な骨量の回復と感染コントロールが必要不可欠です。
インプラント周囲炎の予防法プロフェッショナルクリーニング
インプラントは天然の歯よりも細菌感染に弱く、周囲炎を起こしやすいです。
しかし、正しいケアと習慣を身につければ、多くの場合予防が可能です。以下に、具体的なインプラント周囲炎の予防法を紹介します。
正しいブラッシング習慣の確立
インプラントの周囲は複雑な構造をしているため、ブラッシングには工夫が必要です。必要に応じて専用のブラシやフロスを使用しましょう。
人工歯と歯茎との境目はプラークが残りやすい部分です。磨き残しが出ないように意識して、優しく丁寧に磨くようにしましょう。
無理な歯磨きは歯茎を傷つける原因になるため、不安がある方は歯科医院でのブラッシング指導を受けましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシの活用
インプラントの周囲には、通常の歯ブラシでは届きにくい細かいすき間が存在します。ハブラシだけでは口腔内の60%の汚れしか落とすことができません。
歯と歯の間に残る汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れて効率よく落としましょう。インプラント周囲炎の発症リスクを下げるためには、口腔内全体を清潔に保つ必要があります。
定期メンテナンスを受ける
自覚症状がない場合でも、3〜6か月ごとに定期検診を受けることがインプラント周囲炎の予防に繋がります。歯科医師・歯科衛生士によるチェックとクリーニングで、ご自身では気が付かない見えない部分のトラブルを早期に発見できるでしょう。
早期発見・早期治療がインプラントの寿命を保つポイントになるため、指示された間隔で受診するようにしましょう。また、インプラントの保証条件に定期メンテナンスの受診を挙げている歯科医院も多いです。
禁煙する
喫煙は歯茎の血流を悪化させ、免疫力を低下させます。歯茎が弱くなると、インプラントの周囲に細菌が繁殖するリスクが増し炎症が起きやすくなります。インプラントの寿命を延ばすためにも、喫煙習慣のある方は禁煙を検討しましょう。
食生活の見直し
間食の頻度が高いと、口腔内の細菌バランスが崩れやすくなります。バランスの良い食事を心がけ、口腔内環境を健康に保つことが、インプラント周囲炎の予防にもつながります。
また、食事を摂る時間はなるべく決めて、食後はできるだけ早めにブラッシングをおこなうことを習慣にしましょう。
まとめ
インプラント周囲炎は、重症化すると大きなインプラントを失うリスクを伴います。インプラントを快適に使い続けるためには、日々のケアと歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。
インプラント周囲炎の重症化を防ぐには、歯茎の腫れや出血など小さな変化を見逃さないことが大切です。正しい知識を身につけ、健康な口元を保ちましょう。
インプラント治療を検討されている方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。