歯周病は放置してはいけない?リスクと進行を防ぐためのポイント
こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。
歯周病という言葉を耳にしたことがあっても、具体的な症状やその深刻さについてはあまり知らない方も多いかもしれません。歯周病は、初期段階では痛みが少なく自覚症状が乏しいため、受診を後回しにする方が少なくありません。
しかし、歯周病を放置していると歯を失うだけではなく、全身の健康にも影響を及ぼすリスクがあることが近年の研究で明らかになってきています。
この記事では、歯周病を放置することの危険性や症状、そして進行を防ぐための具体的なポイントについて、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身やご家族の健康管理にお役立てください。
目次
歯周病の症状
歯周病は、初期の段階では目立った自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることが多いです。
しかし、実は日常生活の中でサインが現れることがあります。ここでは、歯周病に見られる代表的な症状について解説します。
歯ぐきからの出血が見られる
歯周病の初期症状として多くの人が経験するのが、歯ぐきからの出血です。特に、歯磨きをしているときや硬いものを噛んだときに歯ぐきから出血することが多いです。これは歯ぐきに炎症が起きているサインの1つであり、放置しているとさらに悪化していきます。
継続的に出血が見られる場合は、早めに歯科医院での診察を受けることが大切です。
歯ぐきが赤くなる・腫れる
健康な歯ぐきは淡いピンク色で引き締まっていますが、歯周病が進行すると歯ぐきが赤く腫れることがあります。歯垢や歯石に含まれる細菌により、歯ぐきが炎症を起こしているためです。炎症が長く続くことで歯を支える組織にも影響が出てきます。
口臭が気になる
口臭の原因にはさまざまなものがありますが、歯周病による炎症や膿がその原因となっていることも少なくありません。特に、しっかりと歯磨きをしているにもかかわらず口臭が改善しない場合は、歯周病が関係している可能性があります。
歯がぐらつく・噛みにくくなる
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯がぐらぐらと動くようになります。さらに進行すると、食べ物をしっかり噛めない、噛むと痛みを感じるといった問題も出てきます。
これらの症状が出た段階ではすでに中等度から重度の歯周病である可能性が高く、早急な対応が必要です。
歯周病を放置するリスク
痛みが少ないからといって歯周病を放置していると、思わぬリスクを引き起こすことがあります。歯や歯ぐきだけではなく、全身の健康にまで悪影響を及ぼす可能性があるため、軽視してはいけません。
ここでは、歯周病を放置した場合に起こりうるリスクについて、詳しく解説していきます。
歯を失う原因になる
歯周病の最も深刻な結果のひとつが、歯の喪失です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が徐々に溶けていき、最終的には歯が抜け落ちます。日本人が歯を失う原因の第1位が歯周病であり、加齢とともにリスクは高くなります。
歯を失うと、見た目の印象が悪くなるだけではなく、食事や発音など日常生活にも大きな影響が出てきます。
全身の疾患を引き起こす・悪化させる
最近の研究では、歯周病と全身疾患との関連が注目されています。糖尿病や心疾患、脳梗塞、誤嚥性肺炎、さらには認知症との関連性が報告されています。
歯周病による慢性的な炎症が血流を通じて体内を巡ることで、これらの病気を引き起こす、または悪化させると考えられています。つまり、歯周病は口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康にまで影響を与える病気であるのです。
治療が長期化・費用が増大する
初期段階の歯周病であれば、簡単な処置と日常のケアで改善できる場合が多いですが、進行してからでは治療が複雑かつ長期にわたることがあります。歯周ポケットの奥深くまで感染が広がった場合は、外科的な処置が必要になることもあります。
また、失った歯を補うためにインプラントや入れ歯といった治療が必要になることもあります。結果として、治療費や通院の負担が増えるという現実も見逃せません。
生活の質(QOL)が低下する
歯がぐらついていてしっかり噛めない、口臭がひどい、人と話すのが億劫になるといったことが起きると、日常生活の質(QOL)が大きく低下します。食事の楽しみが失われるだけではなく、会話や笑顔にも自信を持てなくなると、心理的なストレスも増大します。
歯周病の進行を防ぐためのポイント
歯周病は早期発見・早期対応によって、進行を防ぐことができる病気です。
逆に言えば、予防やケアを怠ると、知らないうちに悪化する可能性があります。ここでは、歯周病の進行を防ぐために実践すべき具体的なポイントをご紹介します。
正しいブラッシング習慣を身につける
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きです。特に、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)にたまるプラークをしっかりと除去することが重要です。力を入れすぎたり、短時間で終わらせたりすると、逆に歯ぐきを傷つけることもあります。
定期的に通院し、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けて、自分に合った正しい磨き方を習得することが大切です。
デンタルフロスや歯間ブラシを活用する
歯ブラシだけでは取り除けない歯と歯の間の汚れを落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が推奨されています。これらの補助的な清掃器具は、歯周ポケットの奥にたまったプラークの除去に効果的です。
特に、歯周病のリスクが高い方やすでに症状が出ている方は、日常的に取り入れるようにしましょう。
自分のリスクを知る
歯周病のなりやすさには個人差があります。遺伝的な要因や歯並び、噛み合わせ、ストレス、持病などが影響するため、歯科医院で自分のリスクレベルを確認しておくと予防の意識が高まります。
また、自分がどの段階の歯周病かを把握することで、適切な治療やセルフケアの選択につながります。
定期的に歯のクリーニングを受ける
歯磨きで取りきれなかった歯石やプラークを取り除くには、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。歯石は一度つくと自分で取り除くことはできません。歯科医院では、専用の器具を使って歯石を除去し、歯周ポケットの状態もチェックしてもらうことができます。
少なくとも半年に一度、可能であれば3か月に一度は歯のクリーニングを受けるようにしましょう。
食生活や生活習慣の見直し
糖分の多い食事や栄養バランスの偏りは歯周病の進行を助長する可能性があります。歯や歯ぐきの健康を維持・促進するためには、ビタミンCやカルシウム、タンパク質などを適切に摂ることが重要です。
また、喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める要因の一つです。ニコチンが血流を悪化させ、歯ぐきの免疫力を低下させるためです。歯周病を予防する上でも、禁煙は非常に重要なポイントです。
早めに受診する
「ちょっと気になるけど、様子を見よう」と放置していると、歯周病は悪化していきます。出血、腫れ、口臭といった小さなサインを見逃さず、早めに歯科医院を受診することが、進行を防ぐために欠かせません。
また、一度治療を終えたからといって油断せず、その後のメンテナンスを継続することも重要です。歯周病は、完治するというよりもコントロールする病気だという意識を持ちましょう。
まとめ
歯周病は、初期段階では気づきにくく、自覚症状が乏しいため放置されやすいです。
しかし、進行すると歯を失うだけではなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすリスクがある重大な疾患です。歯ぐきが腫れている、出血する、口臭が気になるといった症状がある場合は、自己判断で放置せず、早めに歯科医院を受診することが大切です。
日々の正しいブラッシングや定期的なクリーニング、生活習慣の見直しなどを実践することで、歯周病の進行を防ぎ、口腔内の健康を維持できます。将来後悔しないためにも、今日からできるケアをはじめてみましょう。
歯周病治療を検討されている方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。