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インプラントの仕組みは?流れと期間、費用目安など基本を徹底解説!

コラム  / 歯を守るインプラント治療

こんにちは。仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」です。

模型を用いてインプラントの仕組みについて説明する歯科医師

歯を失った場合の治療法のひとつに、インプラント治療があります。インプラントは、天然歯に近い審美性と機能性を得られる治療法として人気です。

しかし「手術が必要なの?」「治療にかかる費用や期間はどれくらいかかるの?」などの、不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、インプラントの基本的な仕組みから治療の流れ、治療期間や費用の目安について解説します。インプラント治療をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントの仕組みと構造

インプラントの構造のイメージ

インプラント治療は歯を失った箇所の顎の骨に人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着する治療法です。審美性と機能性に優れているので、昨今選択される方が増えている治療法ですが、インプラントの仕組みなど、詳しいことはご存知でない方も多いでしょう。

ここでは、インプラントの仕組みと構造について解説していきます。インプラントは、主に以下の3つのパーツで構成されています。

インプラント体

インプラント体は、顎の骨に埋入するインプラントの土台となる部分で、フィクスチャーや人工歯根とも呼ばれています。素材には人体との親和性が高いチタンやチタン合金が使用されているケースが多いです。

インプラントの最大の特徴は、インプラント体と顎の骨が直接結合することにあり、この現象はオッセオインテグレーションと呼ばれます。通常2〜6か月程度かけて顎の骨とインプラント体がしっかり結合すると、天然歯のような噛み心地を得られるのです。

また、インプラント体はさまざまな種類があるため、直径や長さ、表面処理の違いなど、患者様一人ひとりの骨の状態や治療部位に応じて適切なものを選択します。

アバットメント

アバットメントは支台部とも呼ばれる、インプラント体と人工歯をつなぐ部品です。アバットメントには、長さや角度などが異なるさまざまな物があり、患者様の噛み合わせの状態に合わせたものを選択して装着します。

上部構造

上部構造は、インプラントの最上部にあたる人工歯のことです。装着することで、歯の見た目や機能を回復できます。

外から見える部分でもあるため、上部構造には高い審美性と機能性があるセラミックを使用するケースが多いでしょう。歯並びや噛み合わせ、隣接歯とのバランスなどを考慮しながら、人工歯の素材を選びます。

上部構造の素材とは

セラミックを使用したインプラントのイメージ

インプラント治療で使用する上部構造にはさまざまな種類があり、見た目や機能性などそれぞれ異なる特徴を持っています。そのため、患者さま一人ひとりの口の中の状態に合った素材を選択することが大切です。以下に、上部構造に使用される主な素材をご紹介します。

オールセラミック

オールセラミックは陶材素材でできており、天然の歯にもっとも近い見た目を実現できます。

審美性に優れ、金属を一切使用していないので金属アレルギーの心配もありません。審美性の高さから前歯部分に使用されることが多く、細かな色調の調整を行えて光の透過性も高いため、天然歯に近い見た目を忠実に再現できます。

ただし、衝撃に弱いため硬いものを食べたり、事故や転倒でぶつけたりすると、割れる可能性がある点はデメリットです。

ジルコニア

ジルコニアはセラミックの一種でありながら、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど硬い素材で耐久性に優れているため、強い力のかかる奥歯に使用されることが多いです。オールセラミックには劣りますが、色調の再現性も高く審美性と耐久性を両立した素材になります。

ただし、自分の歯よりも硬いので、噛み合う天然歯が欠けたり割れたりするリスクがある点はデメリットと言えるでしょう。

メタルボンド

メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けて作成されます。金属の強度とセラミックの審美性を両立した、バランスが良い素材と言えるでしょう。

また、価格も他の上部構造と比較して安価な場合が多い点はメリットと言えます。

しかし、金属を使用しているため、他の素材に比べて透明感の再現性が劣る点はデメリットです。そのため、奥歯など目立ちにくい位置に使用されることが多いでしょう。

インプラント治療のメリット・デメリット

インプラント治療のメリットとデメリットを伝える女性のイメージ

インプラント治療を受ける際には、メリット・デメリットを理解したうえで選択するようにしましょう。以下に、インプラント治療のメリット・デメリットをご紹介します。

インプラント治療のメリット

インプラント治療には以下のメリットがあります。

審美性と機能性に優れている

インプラント治療の最大のメリットは、失った歯の機能と見た目を天然歯に近い形で取り戻せることです。インプラントは、人工歯根をあごの骨に直接埋め込み固定するため安定感があり、天然歯に近い噛み心地を得られます。

また、人工歯にはセラミックを使用するケースが多いため、天然歯と変わらない自然な美しさを実現できるでしょう。

周囲の歯に負担がかからない

入れ歯やブリッジは、欠損箇所の両隣の歯を支えや土台として使用します。特にブリッジは、両隣の健康な歯を大きく削って土台にする必要があります。土台となる歯に大きな負担が掛かるため、歯の寿命を縮めるリスクが高いでしょう。

インプラントの場合はあごの骨に直接インプラント体を埋め込むため、独立して機能します。周囲の健康な歯を傷つけることなく、治療ができる点は大きなメリットです。他の部分に負担を掛けずに治療できるため、口腔内全体の健康維持にも繋がるでしょう。

あごの骨の吸収を防ぐ

歯を失った部分のあごの骨は、徐々に痩せていきます。インプラントの場合は顎の骨に直接インプラント体が埋め込まれ固定されているので、咀嚼時にあごの骨に刺激を与え、骨の吸収を防ぐ効果が期待できるのです。

あごの骨が痩せると顔の印象が変わる恐れもありますが、インプラント治療であれば防げるでしょう。

寿命が長い

インプラントは適切なケアをおこなえば、長期間使用できます。入れ歯やブリッジの寿命は4〜7年ほどなのに対して、インプラントの寿命は10〜15年と長いのが特徴です。適切なケアをしていれば、さらに長期間使用することも可能でしょう。

インプラントは耐久性が高く、入れ歯よりも再治療が必要になる頻度が低いため、長い目で見ると経済的な治療法だといえます。

インプラント治療のデメリット

インプラント治療のデメリットは以下のとおりです。

治療期間が長い

インプラント治療は、あごの骨とインプラント体が結合するまでに一定の期間が必要になります。治療開始から完了までの一般的な目安は、3〜12ヶ月程度です。

あごの骨の状態によっては、骨造成などの追加治療が必要となる場合もあります。骨を追加する場合は、さらに治療期間が延長するでしょう。

外科的手術が必要

インプラントは、あごの骨にインプラント体を埋め込む外科的手術が伴うため、少なからず身体的負担があります。手術中は局所麻酔を使用するので痛みはありませんが、術後は腫れや痛みが数日間続くケースも少なくありません。

また、全身の健康状態によっては、治療を見送る場合もあります。特に、糖尿病などの基礎疾患がある方や喫煙習慣のある方は様々なリスクが高まるため、担当医師とよく相談して治療を検討するのが大切です。

費用が高額

インプラント治療は保険適用外の自由診療のため、全額自己負担となります。1本あたりの費用相場は30〜50万円ほどで、複数本必要な場合は、それに応じて総額が増加するでしょう。

高額な費用が必要なため、経済的な負担が大きい治療法だといえます。

また、あごの骨が極端に少ない状態の方は、骨造成などの追加処置を行う必要があり、さらに費用が高額になるでしょう。

定期的なメンテナンスが必須

インプラントを長く使用するためには、ご自身でのセルフケアはもちろん、歯科医院での定期メンテナンスが不可欠です。インプラントは人工物なので、虫歯になることはありません。

しかし、インプラント周辺組織が歯周病菌に感染すると引き起こされる、インプラント周囲炎になるリスクがあります。インプラント周囲炎などのトラブルを予防するためには、継続的なメンテナンスが重要になるでしょう。

歯科医院の定期メンテナンスでは、インプラント部分以外の虫歯や歯周病の確認、クリーニングなども行うので、口内全体の健康を保つことにもつながります。

インプラント治療の流れと期間

レントゲンを見ながらインプラント治療について説明を受ける様子

 

ここでは、一般的なインプラント治療の流れと期間を解説します。インプラント治療には、1回法と2回法がありますが、今回は1回法の流れと期間をご紹介します。

検査

はじめに詳しい検査を行います。レントゲン撮影やCT検査で、あごの骨の状態や神経の位置などを確認します。インプラント治療が適応と診断された場合、検査結果をもとに治療計画を立てていきます。

治療期間や費用についても詳しく説明し、患者さまが治療内容に納得できたら治療を開始します。

前処置

歯周病治療や虫歯の治療が必要な場合は、インプラント治療の前に優先して行います。また、あごの骨の量が不足している場合は、骨を増やすための骨造成などの手術が必要となる場合もあるでしょう。

手術

インプラント体を埋入する手術を行います。局所麻酔をして歯茎を切開し、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込み、アバットメントまで取り付けて頭の部分を出しておきます。

手術時間は1本あたり30分〜1時間程度で完了する場合が多いでしょう。術後は腫れや痛みが生じることがありますが、基本的には数日で落ち着いていきます。

しかし、痛みが長引く場合は何らかのトラブルが起こっている可能性があるので、歯科医院を受診してください。

インプラント体の結合期間

インプラント体を埋入した後は、インプラント体とあごの骨がしっかりと結合するのを待ちます。骨の状態や埋入部位によって個人差がありますが、2〜6か月程度かかるのが一般的です。

この期間は歯がない状態になるため、仮歯などで対応することもあります。

上部構造の作製と装着

あごの骨とインプラント体の結合が確認できたら、人工歯の作製に入ります。型取りを行い人工歯の色調や形を決定し、歯科技工士が作製していきます。

完成した上部構造を装着し、噛み合わせや見た目に問題がなければ治療完了です。型取りから治療完了までは、一般的に2〜3週間程度必要になります。

定期メンテナンス

インプラント治療が完了したら、3〜6ヶ月ごとに定期メンテナンスに通わなくてはなりません。患者さまによっては、目安よりも高い頻度が必要な場合もあるので、歯科医師の指示に従ってください。

定期メンテナンスでは、インプラントと歯茎の状態をチェックし、必要に応じてクリーニングを実施します。なお、インプラント保証の条件に定期メンテナンスの受診を挙げているケースもあるため、必ず通うようにしましょう。

インプラント治療の費用目安

インプラント治療にかかる費用のイメージ

インプラント治療は保険適用外の自由診療のため、歯科医院によって費用が異なります。

一般的な治療費用は、1本あたり30〜50万円程度が相場です。この費用には、インプラントの材料費や手術費用、上部構造の製作費などが含まれています。

その他の費用として、治療前のレントゲンやCT撮影料など検査費用が2〜5万円程度追加で必要となる場合もあるでしょう。

また、あごの骨の量が不足している場合は、骨造成などの追加処置が必要です。その場合は、15〜30万円程度の追加費用がかかります。

まとめ

インプラント治療をした歯を確認して笑顔の女性

インプラントは、失った歯の機能や審美性を回復させる治療です。インプラントには外科的手術が伴い、治療期間と費用はかかりますが、適切なケアを行なっていれば、10〜15年以上と長期間にわたって使用できます。

ただし、インプラント治療はすべての方が受けられるわけではありません。お口の状態や全身の健康状態によって、治療が難しい場合もあります。

インプラント治療を検討中の方は、歯科医院を受診して相談をすると良いでしょう。

インプラントを検討されている方は、仙台市青葉区にある歯医者「広瀬通り歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、患者さんが生涯にわたってお口の健康を維持できるようサポートすることを目指して治療を行っています。虫歯・歯周病治療や矯正治療をはじめ、入れ歯治療やインプラント治療にも力を入れています。

当院のホームページはこちらネット予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。